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君の旅立ちに乾杯



道端に詩が転がっていたので拾って来た

早朝だったのでまだ人に踏まれず

卑屈にうずくまっていた



取りあえず風呂に入れてやり

きれいになったところで

お腹でもすいているだろうと

言葉を食べさせてやった



詩は少しだけ形らしくなった

彼女の要望を聞きつつ

様々な言葉の服を選び

あれこれ着せていった



馬子にも衣装というが

拾って来た時より大分詩らしくなって来た

あとは化粧だ



最近テレビCMで評判の

少し高いが良いコスメを施した

彼女は拾って来た時とは

見違える程素敵な詩に変身した



後の事は彼女に任せよう

君の旅立ちに乾杯














流される



流される

刻に



今に

現実に



流される

人に

自然に

空想に



流されっぱなしの私の人生

ぷかぷか流れに身を任す














不公平



忘れたいのに

忘れたい事は忘れられない



忘れてはいけないのに

忘れてはいけない事は忘れる



反対であってくれたら

生きやすいのに・・・



お金のある人の所には

お金がどんどん来る



お金のない人の所には

なぜかお金は来ない



反対であってくれたら

生きやすいのに・・・



人生は不公平

どうやら不公平が

風を切って闊歩している














分身



あなたは一体誰でしょうか

訳知り顔で私を見ている



とても気味が悪い

私は無視しようとするが

体の一部分が反応している

どうやらその一部分があなたと繋がっているようだ

あなたは決して表に出ようとしない



しかしあなたは

私の一挙手一投足を決して見逃さない



嫌な奴だ

私が間違った事などすれば

すぐに反省を求める



あなたはそんなに偉いのか

私がそう云えば

唯苦笑いするだけ

そう!あなたは私の分身だから















忘れていた笑顔



最近笑っていない

いつから笑いを忘れたのか

それさえ忘れてしまった



「お笑い番組観たらって?」

人は笑っているけど私は笑えない

どうしちゃったんだろう



頬がね頬がこわばっちゃって

口角が上ってくれないの



鏡の中で無理して笑ってみたけど

心が心が頬についてこない

心だけが置き去り



悲しくて涙が出た

声を出して泣いた



あまりおかしな顔で泣いていたので

笑えてきた



気が付いたら

大きな声を出して笑っていた














幸せになれた朝



虹が出ていた

太くて短いのだ

散歩の先へ先へと

伸びていった

やがて両サイドから出た虹は

半円になっていた

こんなに朝早くから

それもこんなに太くて大きい

完全な虹が見られるなんて

きっと今日はいい事がある

幸せになれた朝だ














秦本幸弥



●『死神とエプロン』
双葉文庫
秦本幸弥 Yukiya Hatamoto


ISBN978-4-575-52224-2.jpg



●「異世界マルチビジネス ~今の収入に加えて毎月金貨一枚もらえたら?~」
KADOKAWA
秦本幸弥 Yukiya Hatamoto

●「パティスリー幸福堂書店はじめました 1~3」
双葉文庫
秦本幸弥 Yukiya Hatamoto

●「本日、職業選択の自由が奪われました」
双葉文庫
秦本幸弥 Yukiya Hatamoto

●「かいぜん! ~異世界コンサル奮闘記 1~3」
TOブックス
秦本幸弥 Yukiya Hatamoto

●児童書「ありのままに生きてます 見習いたくなるいきもの物語」
KADOKAWA
加藤英明 秦本幸弥(共著)



★ 秦本幸弥公式サイト
http://yukiya1.com/


*****************************************












一人の遊園地



何となく一人で遊園地まで来てしまった

何度も迷った

帰ろうと

だって一人の遊園地なんて・・・



親子づれ

カップル

友人同士

歓声をあげ皆楽しそう

場違いの遊園地で始めは観ていただけだった

皆の楽しそうな顔を観ているのもそれはそれで楽しい



勇気をふりしぼってジェットコースターに

恐さとちょっぴりの楽しさで大声で叫ぶ

知らないうちに他の人とも話したり

ソフトクリームなんてなめたりして

結構それなりに楽しんだ



一人の遊園地もまんざらでもない

でも今度来る時は誰かと来よう

ステキな人と・・・














私はわたし



私頑張ること嫌いなんです

努力することも嫌いです



とても怠情な人間なんです

こんな私に

生きてる価値はあるのでしょうか



神様に訊いても何も答えてくれません

私すっごく悩んでいるのです



でも私はずっとこのまま

私を演じ続けます

だって私はわたし

それ以上でも以下でもないから














迷路



出口が見つからない

細くて暗い迷路



風の行く手にきっとある筈の

あなたの愛を手探りしている














移ろい



今にも泣きだしそうな

空を見上げつつ

洗濯物を干してゆく



一面に霞がかかったような空

ほんのわずかな風に揺れる洗濯物



洗濯物の後ろでは

プランターに植えられた胡瓜の苗に

十センチ程の胡瓜がぶら下がっている



日に日に大きさを増し

小さなトゲも沢山ついている

三日後には食卓にのぼるだろう



こんな狭いベランダにも

季節は移ろう



昼過ぎからは雨との事

もうすぐ梅雨明けも近いかも…














参った



参ったなあ

君はそれだけの能力しかないのか

なんて言われても



参ったのはこちらの方だ

始めから私には能力なんてないのだ

参ってしまわれても私も困る



勝手にこちらの能力をかいかぶって

結局私は私でしかなくそれ以上のものではない



以後私の能力はこの程度だと思ってほしい

そうすればこれ以上私に対して

落胆することはないのだ



参ったよ本当に














金魚の泡



金魚鉢の金魚が

泡をひとつだした



尾鰭をゆらし

小さな世界を行き来する



もっと広い所で泳ぎたいだろうに



また一つ

ちいさな泡をふわりとだした














さようならの理由



何度も告げようと思ってる

「さようなら」をあなたに

何度も何度も



だけど

その度にいつも言いそびれ

さようならの代わりに

曖昧な微笑みを浮かべてしまう



今日こそは

今日こそはといつも思う



あのね

さようならの理由は

あなたを嫌いになった訳ではなく

私があなたに相応しくなくなったから



それってきっと

分ってもらえないでしょうね














書けない



書けない書けない詩が書けない

書けない気持が

も~くもく

黒雲みたいにも~くもく



もくもくもくもく広がって

空にいっぱい広がって

もくもく雲で暗くなり

とうとう雨が降って来た



雨が地面に落ちるとき

「書けない書けない」と音がする



雨となった「書けない」が

地面に吸われて地の中で

「書けない書けない」と呟いている



地面に吸われて呟いた

書けない警報発令中














どうでもいい



もうどうでもいい

このまま消えてしまおう

わたしひとりくらい消えたって

その瞬間だけ

「えっ?」と思われ

あとはいつもの日常が廻ってゆく

わたしとは

そんな存在だから














ショーウインドーの中の私



しみったれた顔が

ショーウインドーに映っている



その向うには

洒落た洋服を着たマネキンが立っている

私には似合いそうもない



しみったれた私の横には

その洋服が似合いそうな人が立っている

にこやかな顔で



この洋服は似合わなくても

隣の人みたいに

にこやかな顔にならなくっちゃ



スマイルスマイル

ショーウインドーに映った私は

今にも泣きそうな笑顔を浮かべていた














ぽかん ぽかん ぽかん



ぽかん ぽかん ぽかん

わたしは きょうもあさから ぽかんとしています

ほんとうは しなければならないことが

やまほどあるのです



それなのに わたしは きょうもまた

ぽかん ぽかん ぽかん



なまけものの わたしがすきなこと

ぽかんとして そらをながめれること



あおいそらに しろいくもがうがび

ふわり ふわりと ながれてゆく

きもちよさそうに うかんでる

ぽかん ぽかん ぽかん



きょうもいちにち すぎました

なにもしないで ぽかん ぽかん














希望の光



ね!見てみて

私の瞳の中に

希望の光灯ってる



何も見えないって

そんな筈ないよ

今はきっと太陽の光に

負けているだけ



こちらの日陰にきてみて

見えるでしょ

私の希望の光



太陽の光には負けるけど

私の瞳の中には灯っているのです

小さな小さな希望の光が














美味しいんです



待ってたんです

ず~っとずっと



早く来ないかなあって

大好きな大好きな

あなたからの手紙



待ちに待って

今日やっと来たんです



封を切るのさえまどろこしく

それでもハサミできれいに切り



目が便箋の文字を追う

驚きがほほえみが

便箋三枚にびっしり詰まり



一度きりじゃもったいなくて

二度三度と読み返す

美味しいんです

あなたからの手紙って














私は私



ふらふら

ふらふら

私の心はいつもふらふらしている



信念というものがなく

ああした方がいいのかなとか

こうした方がいいのかなと考え

およそ一貫性がない



自分で自分が嫌になる

受け入れ難いが

これもいわゆるひとつの私



ふらふら

ふらふら

揺らいで揺らいで



それでもやっぱり私は私














ハグ



心がたまらなく寂しいとき

そっと優しくハグしてください



心が思いきり嬉しいとき

強く強くハグしてください



そしてとても愛しくなったとき

心の底からハグしてください



それだけで十分気持ちが伝わる

ハグは無言の素敵な言葉














魔法



あなたに話したくて

あんなに沢山の

言葉を用意していたのに



あなたの顔を見たとたん

あの沢山の言葉が

無駄に思えてきて…



結局どうでもいい言葉が

私の口をついて出る



それでも心は

うきうきしている



それって何なの

魔法にかけられたみたい














早く見つけて



私は缶を蹴って急いで走る

胸をドキドキさせ

物陰に身をひそめてうずくまる



遠くで近くで

「○○ちゃん見っけ」の声がする



ああどうしよう

見つかっちゃうかなあ

より一層体を小さくし



そしてそのまま

鬼に見つけられず

大人になってしまったような



そんな不安を心に抱き

今を生きている



鬼さん早く私を見つけて!

あなたから早く自由になりたいから
















ひるま見る月は

白くうすくて

今にも消えいりそうです



とても儚な気で

かって人類があの月を歩いたなんて

おとぎ話しみたいです



テレビで放映された物を見たのに

それでも信じられません



あんなにうすくて消えそうな月と

人類が歩いていた月と

本当に同じなのでしょうか



目の前に指をかざせば

月は消えてしまいます

人類が歩いてきたという月は

きっと他の星でしょう



月はやっぱり夢のままがいい

夢のままが・・・・・・














あれから一年



思い出してよ

あの日のこと



あまりに楽しくて

二人で笑い合ったね

観るもの全てが虹色に見えた



そして

私は今一人でここに立っている

あの日のことが

まるで夢みたい



ずっとずっと封印していたこの場所に

やっと今日立つことができた

あれからもう一年

まだ一年



この一年の間に私のできたことは

あなたを忘れられなかったこと














最後の景色



夕日があまりにも綺麗で

思わず立ち止まる

これが最後に観られる

景色だとしたら

幸せだと思えるだろうか














似た者同士



私達はよく似た者同士だねと言われる

何が似ているのか



私達はそうは思わない

むしろ反対だと思っている



何をして似た者同士と言われるのか

まっ仲が悪いねと言われるよりはいい



人がぱっと見て瞬間的に思うのと

私達の中まで入って来て見るのとでは

また違って来ると思う



似た者同士

似た者同士と言われても

何が似ているのかそれが問題だ



それはそれは詮索しないでおこう














秦本幸弥



●『死神とエプロン』
双葉文庫

秦本幸弥 Yukiya Hatamoto


ISBN978-4-575-52224-2.jpg



妻と幼い息子を残し急逝した西野は、訳あって冷徹な死神となってしまった。
それから1年後。上から指示された10人目のターゲットは、上のミスにより妻に設定された。
西野に生前の記憶はない。
最愛の妻を手にかけてしまうのか。それとも……。












想い



今何かをしているだろう君を想う

何をしているのかとあれこれ想う



今君のことを想っている私を

多分知らずにいるだろう君



今私が君のことを想っているように

私のことを想ってくれている人がいるかもしれない















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