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秦本幸弥

●「ありのままに生きてます 見習いたくなるいきもの物語」
(KADOKAWA:2019/12/13発売)
加藤英明 秦本幸弥(共著)

ありのままに


パンダ。ウマ。ナマケモノ。あなたはどのタイプ?


ナマケモノは頑張らないからこそ生き残る! クマノミ

は生きやすさのためにオスがメスに? ウマは自分の使

命に限界を超えて力を尽くす。

いきものにはそれぞれの生き方があります。私たちか

ら見ると、かわいすぎたり、ちょっと変わっていたり

それで自然の中でやっていけるの!?

と思えるものだったり。でもそれは、彼らにとっては

普通の生き方。そんないきものたちのありのままの姿

を、物語で紹介します!

ナマケモノの命がけのトイレミッション。出会いの季

節に出会った肉食系メスカマキリと草食系オスカマキ

リの恋の行方。クマノミの群れのナンバーツーにおと

ずれる試練。陽気なホッキョクグマの厳しい一夏。未

熟な傭兵とベテラン軍馬の戦い。流れに身を任せるク

ラゲの選択。かわいいパンダがかわいい理由。

いきものたちの、七つの物語。あなたの生き方は、ど

のタイプですか?












白い月



白い月

真昼の月は儚気で

口の中で

溶けて薄れるべっこう飴

噛むと砕けて散りじりに



儚い儚い白い月

消え入りそうな白い月

兎も住めない白い月



私の胸の引き出しに

そっとしまっておきました














未踏



見晴らしの良い

丘の上の草々は夜風になびき

星々に合図送る



星々は答えて瞬きを返す



ああそうだ

私は今まであの星の土を

踏んだ事が無い











逢いたい



急にあなたに逢いたくなった

それもとても強く何かに急かされる様に



何気なく観ていたTVのドラマの中の一場面

ふいにフラッシュバックが起こり

あなたの事を想い出した



まだお互いに幼く

いつも一緒に遊んでいたいつもの秘密の場所

それがドラマの一場面を観て懐かしく想い出された



私の引越しを機にあなたとは逢えなくなり

もう何十年たってしまったか

それなのに昨日の事の様

あの頃のあなたの笑顔が忘れられない



あなたのあの笑顔が私は好きだった

いつも一緒に居る事が心地良かった

そんなあなたに私は今とても逢いたい

心の底からあなたとあの笑顔に逢いたい














何とかなるさ



困った困ったどうしよう

何とかしなきゃ



何ともならないと思っていても

結局何とかなっていく



何とかなっても

悪くなっている事もある

でも何とかなっている



何ともならないと頭をかかえ真剣になっても

結局無駄だったりする



て・ことは

何も考えなくてもいい

ってことではないけれど



でも考えても考えなくても

結局何とかなっていく



何とかなるさ世の中は














言葉のかけら



愛 し て い る よ



この言葉

いつもあなたの

そのあなたの心に

しまっておいて



もしも寂しくなったなら

この言葉

想い出して

愛 し て い る よ



もしも哀しくなったら

この言葉

想いだして

愛 し て い る よ



夜空の星の輝きに似て

きらきらきらめく

この言葉

愛 し て い る よ



あなたの心の中に

入りきれないほどの

言葉のかけら

愛 し て い る よ

愛 し て い る よ














こころが一杯



今こころが一杯です

重いのです

得体の知れない物が居座っていて

新しい想いを入れようと思っても

何か分らないが

そこだけが重くまるで鉄の塊みたい



トントンとノックをしても

手荒にドアを扱っても

ビクともしません

それは居心地がよさそうだ



もう諦めて踵を返したら

ニヤッと笑ったようだ

悔しいけれど今日は負けてしまった



明日はきっと勝ってやる

あいつにだって弱みはあるはずだから
















突然私の前に黒い物が現れた

それは私を一瞥もせず角を曲がった

私もそれを追いかけ角を曲がった

そこには人の形をした影がいた



よく見ると私には影がない

その影はまさしく私の影だ



影を取り戻そうと

近づいてみるが

私をあざ笑うかのように

影はまたその先の門を曲がった



今度は影に気づかれないように

そっと近づき

石畳の上の影に

思いっきりかぶさってやった



ふいをつかれた影は

逃げそこね私の物になった

今度は逃げられないように

影をしっかりホチキスで止めてやった














鬼ごっこ



頭の中で

言葉がくるくる鬼ごっこ

やっと捕らえた言葉の尻尾が

スルリと手から抜けだして

またまた言葉と鬼ごっこ

止めようよ止めようよ

追いかけるのに疲れたよ



それでも鬼はニヤリと笑い

おいでおいでと手を振って

まだまだ続く鬼ごっこ



鬼さん鬼さんもう眠ます

続きは明日にしましょうね



やっと鬼から自由になって

夢の世界の人となる














秦本幸弥

●「ありのままに生きてます 見習いたくなるいきもの物語」
(KADOKAWA:2019/12/13発売)
加藤英明 秦本幸弥(共著)

ありのままに


パンダ。ウマ。ナマケモノ。あなたはどのタイプ?

ナマケモノは頑張らないからこそ生き残る! クマノミは生きやすさのためにオスがメスに? ウマは自分の使命に限界を超えて力を尽くす。
いきものにはそれぞれの生き方があります。私たちから見ると、かわいすぎたり、ちょっと変わっていたり、それで自然の中でやっていけるの!? と思えるものだったり。でもそれは、彼らにとっては普通の生き方。そんないきものたちのありのままの姿を、物語で紹介します!
ナマケモノの命がけのトイレミッション。出会いの季節に出会った肉食系メスカマキリと草食系オスカマキリの恋の行方。クマノミの群れのナンバーツーにおとずれる試練。陽気なホッキョクグマの厳しい一夏。未熟な傭兵とベテラン軍馬の戦い。流れに身を任せるクラゲの選択。かわいいパンダがかわいい理由。
いきものたちの、七つの物語。あなたの生き方は、どのタイプですか?












バクがね

私の夢を食べちゃうの

次から次に食べちゃうの



今度こそ

バクに内緒にしてたから

絶対大丈夫だと思ってたのに

やっぱりやっぱり食べられちゃった



あまりにも悲しすぎるから

夢を見るのはやめようかと



やっぱりそれも寂しくて

バクが食べ切れない程の夢を見て

余った夢を育てよう














薔薇



薔薇の刺

ひとつひとつ取ってみる

刺の無い

私になれると

信じて
















手のひらには無数の線がある

時どき何となくじっと見てしまう

この一本いっぽんが人の人生を決める

不思議なことにいつの間にか

見た事のない線が増えている



良い線なのか悪い線なのか分からない

しかし確実に変ってゆく



どうせ増やすなら良い線を増やしたい

多分良いことをすれば

良い線が増えてゆくのだろう



そして私は今日も見ている

ただ何となくじっと

ただ何となく……














ハグ



ハグしてますか

ハグしてますか

子供にハグ

夫にハグ

妻にハグしてますか

ハグは言葉と同じくらい

愛が伝わります

ハグは言葉それ以上

癒されます

子供は

夫は

妻は待ってます

あなたからのハグを

そして一番待っているのは

あなたの親かもしれません














言葉がなくても



あなたが私に癒されているのは

私があなたに癒されているからです



何も言葉がなくても

お互いの存在があるだけで

十分言葉になっているのです



そんな関係でいられることに

感謝の気持ちで一杯です
















あの山の頂を隠す

雪雲の下で

狐の子供が

コ~ンと鳴いたので

焚火の中の竹が

パ~ンと鳴った



焚火の横にいた

狐のような貌をした

小さな犬が

キャ~ンと鳴いて

後ずさりをしたので

山の上の狐の親が

怖がらないでと

コ~ンコ~ンと鳴いた














冬薔薇



冬薔薇が散った

暗くて気高い姿をした大きな花が



血の色をした花びらを

黒い土の上に

再び花を咲かせたかのように敷きつめ



柔らかな表情となり

雨の降る中

土へと帰って行った














出さない手紙



出さない手紙

まだ捨てきれずに持っている



捨ててしまえば

あなたを捨ててしまうようで・・・



引き出しの奥で眠っている

想い出を抱いたまま



あの楽しかった日々は

もう決して戻らない



捨てよう

思いきって



真っ赤に染まった葉が

ハラリと舞い降りた














歳末



歳末大謝恩セールの葉書が届く



歳末?

もう歳末

T・Vではクリスマスやらお歳暮

御節料理のC・Mが流れる



毎年この時季になると

気忙しくなるのは何故だろう

と 毎年書いている



毎年同じ事を書きながらも

それが速度を増して来ているのは

これ又何故だろう



毎日を冥土に向って旅をしている

若いうちはクリスマスや正月を

純粋に楽しんでいた

一年が早いとか遅いとか思わずに



歳をとるということは

一年の過ぎ去りを

早く感じるようになることだと

つくづく思っている



あ~あ














目を耳に



電車の中の

君の言葉が

聴こえない



くちびるの動きに

息を凝らし

目を耳にする














落葉



川に沿うくねくねとした道

枯れた薄に半ば埋もれたこの道は

朝日がようやく登る頃



私より先に

落葉が風に乗り

走り始めている














ポエム


ポエムとはあちらこちらに散らばった

言葉をちまちま紡ぐこと

路傍に落ちている名詞

葎にひそむ動詞

空にぽっかり浮く形容詞

そいつを糊でくっつける

つけて剥がして削って足して

やっとポエムの顔できた














思い出



思い出に埃が積もっている

埃を払い

思い出の生年月日を確かめると

もう十年以上たっている



十年が長かったのか短かったのか

考えてみようと思ったが

目の前に

新しい思い出になりそうな

君の言葉が降りてきたから

古い思い出はそのままにして

君の言葉を拾い集めていた














忘れないで



忘れないで

私のこと

お願いだからそんな

よそよそしい顔しないで



あなたの記憶から

私の事が

指のすきまからこぼれてゆく砂のように

落ちてゆく



私は何度もその砂を掬っては

あなたの掌に戻してみる



無駄だとは分っていても

でも…でも

そうせずにはいられない



私の戻した砂は

今もあなたの

その指のすきまから

サラサラとこぼれ落ちている














銀杏落葉



銀杏落葉

道いっぱいを

黄に染める

私も染まる

あなたの色に














幸せ探し



ちょっとお尋ねします

この辺に幸せを売っているお店ないかしら

私足が棒になる程探しているけど

まだ見つからないの



そんなに大きな物でなくてもいいの

何かキラッと光る

小さな幸せでいいのです

もし知っていたら教えて下さい



えっ

知っているんですか

私の心の中にあるって



いいえないから探しているんです



あのね幸せはね

幸せは気付くものなのです














新たな私



今日が明日になると言うことは

何もかも全てが新しくなると言うこと

時間も

景色も

そして何よりも新しい君にも逢える



そして刻がたつと言うことは

新たな私にも逢える














溜息



風に乗った言葉は

海の上に出て

もう帰ってこようとはしない

やがて日も暮れようとしている



ああ・・・・・と溜息をついたら

そのため息さえも

海の上に出ていってしまった














蛇だ



蛇だ

まだ尾の先が穴に入りきらないでいる















人間のつもりの犬と



人間のつもりの犬と

猫になりたい女が

午後の公園の

日溜りの中で

何かこそこそ話をしていた



話がまとまったのか

急に女が笑い

犬が一声

ク~ンと啼いた














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