FC2ブログ

お願い



私が突拍子もないことを言った時

怪訝な顔をしないで

何となく疑問を投げかけてくれませんか

多分私はしどろもどろに答えるでしょう



突然大きな声で感嘆詞を呟いても

びっくりなんてしないで

私はあまりの感動に酔いしれているのです

その感動を共に味わって貰えたら嬉しい



長い間黙っていることがあったら

私は私の想いの中を散歩しています

少しの間その沈黙に付き合って下さい

後でそっとお話ししますから



私の頬を涙が伝っても

あなたは困らないでほしい

そっと私の横に居て下さい

涙の原因があなたかもしれなくても



そんな私の全てを受け入れてほしい

あなたの広い心で受け入れてほしい

たとえ誰が何と言おうと・・・














朝焼け



もがいても

もがいても

浮上できないでいる

つきつけられた現状に

黙って従うしかないのか



このまま

夢も希望も捨てて

不貞寝するしかないなんて

全くしゃくだ



もう少し

あがいてみるか

もしかしたら

何かを掴めるかもしれない



朝焼けがやけにきれいだ














秦本幸弥



●『死神とエプロン』5/16発売!
双葉文庫
秦本幸弥 Yukiya Hatamoto

妻と幼い息子を残し急逝した西野は、訳あって冷徹な死神となってしまった。
それから1年後。上から指示された10人目のターゲットは、上のミスにより妻に設定された。
西野に生前の記憶はない。
最愛の妻を手にかけてしまうのか。それとも……。












笑顔



君の笑顔は固いんだよ

だって目が笑ってないもの

本当の笑いはね

顔じゅうで笑うこと

ほら・笑って笑って

え~それじゃあ駄目

ん~まだまだ固い

ああそれそれ・それだよ

その笑顔忘れないでね

可愛いよ














黒猫



黒猫がじっとこちらを見ている

あの態勢は

逃げようか逃げまいか迷っている



わたしは「ミャーオ」と鳴いた

猫はバカにしたような顔をして

サッと逃げた



しかし一旦止まり振り向くと

改めてバカにした顔をして

叢に消えていった



猫は犬に比べ用心深い

私が猫なら

もう少し可愛げに振る舞うのに



わたしはもう一度「ミャーオ」と鳴いた

今度は前から来る人に

怪訝な顔をされた














一本の傘



朝起きたら雨だった

夕べの天気予報では昼からだったのに



ああ

どうしてくれる



午前十時友達と待ち合わせしてるんだ

傘がない

皆あちこちに忘れてきちゃって



コンビニまで濡れてゆきたくないし

一本の傘がないのが

こんなに不便なものって

今初めて知った



ああ

どうしてくれる



天気予報士の嘘つき

きっと君は傘があるから

天気予報はずしても関係ないよね



僕は今とても困っている

たった一本の傘がないために



ああ

どうしてくれる














迷子



わたしは迷子

妄想の迷子



妄想列車は

特急列車

小さな駅には止まりません



妄想が次から次へと

景色のように行き過ぎる



妄想迷子の降り立つ駅に

ひとっ子ひとりの影もなく



わたしは迷子になっている

妄想の迷子になっている



誰か見つけてくださいな

妄想に迷ったこのわたし

旅に疲れたこのわたし














水母



水母くらげ

ゆらゆら揺れる水の中

コーヒー店の水槽に

ゆらり浮かんで

ぐらりと沈む



見ていて私も水母に変わる

ゆらりゆらゆら

水母に変わる



ゆらりゆらゆら水の中

母のお胎の水の中

ぷかぷか揺れて

十月ほど



水母くらげ

私はくらげ

こうしてこの世に

出て来たの














遺失物



遺失物係りの受付にいった

私は何かを無くしたようだが

ここに届いてないかと尋ねた



何かとは何だと訊かれたが

その何かが分らない



分らない物が届いてないかといわれても困る

分ってから来てほしいといわれ

考えてみたが分らない



無くしたことだけは確かだ

何となくそんな気がするから



考えに考えはたと思いあたった

私の無くした物

それは子供の頃の記憶だ



そんな物はどうでもいいようであって

どうでもよくない



私はいきなり大人になった訳ではない

大切な記憶だ



私の子供の頃の記憶は届いてないかと

あらためて遺失物係に訊いた



そんな形の無い物は無理だといわれた



私はどこかに落ちてないかと

今来た道を探しながら戻った














お疲れ様



考えて考えて

考えなくてもいい事を考えて

やがて考え疲れ

眠ってしまい

夢の中でも考えている

やれやれ

お疲れ様としか云いようがない














秦本幸弥



●「異世界マルチビジネス ~今の収入に加えて毎月金貨一枚もらえたら?~」
KADOKAWA
秦本幸弥 Yukiya Hatamoto


マルチビジネス



●『死神とエプロン』5/16発売!
双葉文庫
秦本幸弥 Yukiya Hatamoto

妻と幼い息子を残し急逝した西野は、訳あって冷徹な死神となってしまった。
それから1年後。上から指示された10人目のターゲットは、上のミスにより妻に設定された。
西野に生前の記憶はない。
最愛の妻を手にかけてしまうのか。それとも……。



★ 秦本幸弥公式サイト
http://yukiya1.com/












明日の私



明日の私に会いにゆこう

今日の私は沈んでいて嫌だから

もっと夢を持った私に会いにゆこう



明日の私はもっと笑顔

明日の私はもっと前向き

明日の私はもっと素敵

だから明日の私に会いにゆこう



ほら蝶も楽しそうに舞って

鳥は優しく囀り

雲だって嬉しそうに笑っているよ



今日の私はきっぱり封印して

笑顔で前向きでちょっと素敵な

明日の私に会いにゆこう














活字の唄



前を歩いている男が

何か独り言をいいつつ歩いている



後ろから歩いている女は

バケツの中へその活字を拾っている

いい加減にやめればいいのに

男の後をずっとついて歩いている



女のバケツは

男の独り言の活字で溢れた

もう入りきれなくなったので女は

男の後を追うのをやめた



女は活字を机の上にぶちまけ

一つ一つ活字を並べ

男の独り言とは全く別物の

美しい詩を創った



その詩に曲をつけ

女はその日から唄いつづけた

その唄声は男の耳にも届き

男はその唄声に酔いしれた

何故かどこかできいたような懐かしい思いで














胎児のように



ぬるま湯にどっぷり浸かり

手足を大きく伸ばし息を吐き

両膝を抱え小さくなる



母の胎内に居るような心地よさ

羊水の中に漂う胎児みたい

目をつむりゆったりする



いつの頃からか

自然に数をかぞえるようになった

いくつまでとは決まっていない

どうでもいい数を

何となくかぞえる



胎児はいくつまでかぞえたら

母の体から出てこられるのか



気持ちよく湯に浸かり

身も心ものんびりできた



今日は二百をかぞえザバッと上がった














悩み



私は彼に悩みをうちあけた

その一つひとつに彼は

したり顔で頷き

さも何でもないかの様に答を出す



そんなに簡単に答を出さないでほしい

私はあんなに悩みに悩んだのに

こんなに簡単に答が出る訳?



別に深刻になってくれとは云わないけど

あまり簡単に答を出されると

私の悩んでいた事が馬鹿みたいに思える



結局悩みなんて第三者にはそんなもの

多分そんなものなんだ



自分の中の悩みにこれ以上

ベーキングパウダーを振り撒くのは

振り撒くのはやめにしよう

悩みをこれ以上膨らませないために

ちょっとばかり努力はいるけど・・・














十年後の私



十年後の私に手紙を書いてみようか

子供の頃ならまだしも

この歳になって



でも十年後の私はどうなっているのか

興味があるような

それより恐いような

一体全体どうなっているんだろう



十年後の自分に手紙を書こうなんて

どうして思ったんだろう

もうどうでもいいやと思ったが

やはり少し気になる














シカト・・・



最近ウツッぽい奴がチラ見しに来る

ありがたくない奴だから極力シカトしている



だけど何せしつこい

大根を切っていたり

玉葱を刻んでいてもこちらを覗っている

冷蔵庫の陰に身を潜め



私の背中には見えない目がついていて

奴の行動をちゃんと把握している



何とも気になるが

こいつを撃退するには

シカトし続けるのが一番



こちらの作戦が功を奏し

奴はやっと姿を消した

これからもこの手を使うことにしよう














秦本幸弥



5/16発売!

●『死神とエプロン』
双葉文庫
秦本幸弥 Yukiya Hatamoto

妻と幼い息子を残し急逝した西野は、訳あって冷徹な死神となってしまった。
それから1年後。上から指示された10人目のターゲットは、上のミスにより妻に設定された。
西野に生前の記憶はない。
最愛の妻を手にかけてしまうのか。それとも……。




★ 秦本幸弥公式サイト
http://yukiya1.com/












只それだけで



もういくつ溜息をついたか

私は悪くない

いや そうでもないのかもしれない



こんな問答を何度も繰り返し

それでも飽き足らず

深くふかく落ち込んでゆく



全く世話が焼ける

もうや~めたって

それだけ言えばいいんだ



たったそれだけで

楽になるんだから

只それだけで・・・














あとの一パーセント



私の心

九十九パーセント

あなたに傾いています



あとの一パーセントは

今朝のコーヒーの中で

くるくる廻っています














素直になれよ



重いよ重い

どうしちゃったんだろう



この空気

この思い



何に対して

誰に向かって



窓は一杯にあいていて

冷たい風が頬に痛い



分かっているくせに

今は何かの所為にしたくって

正面きって向き合えない



私って奴は

どこまで往生際が悪いんだろう

もっと素直になれよ

世話がやけるんだから














四月が好き



季節がいつまでも四月だったらいい

暑くもなく寒くもなく

美しく花は咲き乱れ

木々の黄緑が空の青に映え



何もかもがワクワクする季節

そんな四月が好き



人との出会いがあり

何もかもが初々しく流れゆく

若やいだ四月が好き



心ゆくまでこの季節を味わいたいから

五月よもう少しゆっくり来ておくれ

私はもっともっと四月に遊んでいたいから














五ミリの段差



心がね

ほんの五ミリの段差につまづいて

かなりひどく転んだの

あまりの痛さに涙さえでた



自分でも驚いた

こんな段差につまづくなんて

しっかり足を上げてたつもり



たいした問題じゃないと思っていた

簡単にけりがつくって

それがこんな痛い目にあうなんて

あなどっちゃいけないってことなんだ



自分のメンタルの弱さを思い知った

これからはどんな問題も慎重にしなくては



空はあんなにも青い

足を上げて足を上げて














やりたくない



やりたくないやりたくない

何もかもやりたくない

こんな日は

何をやってもろくなことはないから

何もやらないでおこう



とは云ってもやはり

何もしない訳にはゆかない

何もやりたくない日も

何かをしなければならない

それが現実だから














秦本幸弥



5/16発売!
●『死神とエプロン』
双葉文庫
秦本幸弥 Yukiya Hatamoto



●「異世界マルチビジネス ~今の収入に加えて毎月金貨一枚もらえたら?~」
KADOKAWA
秦本幸弥 Yukiya Hatamoto

●「パティスリー幸福堂書店はじめました 3」
双葉文庫
秦本幸弥 Yukiya Hatamoto



★ 秦本幸弥公式サイト
http://yukiya1.com/












また今度



また今度会おうね

また今度っていつなんだろう



人は「また今度」ってよくいうけれど

その「また今度」はいつなのか



また今度の曖昧さ

また今度の都合よさ



また今度を信じて

待ちわび

今日が過ぎゆく














理不尽なメール



明けの明星が煌めく朝

苦いコーヒーを啜っている

夕べ届いたメールの

理不尽な言葉に

返信も出来ず

只ただ無口でいる














ほんとうはね



ほんとうはね

嘘なんてつくつもりはなかった

でも聴いているあなたが

あまりに嬉しそうにしているから



人が歓ぶ嘘なら誰も傷つかないからと思って

一生懸命嘘ついちゃった



それっていけなかった?

だってあんなに歓んでいたんだもの

でもいけなかったのね



ほんとうはね

あの日とても悲しいことがあって

それを聴いてほしかった

でも言えなかった



あなたが眩しいほど

幸せそうだったから














妄想



頭の中に浮かんだ事を

口に出すと言葉になり

鉛筆で紙に走らすと文字になる



不思議な事に

こいつ

もくもくもくもくと止めどなく

雲みたいに

綿菓子みたいに湧いてくる



これ程湧いてくるのに

頭はよくもパンクしないものだ



すぐに消えてしまうからか

消えてしまう前に

今紙に鉛筆を走らせている



この私の妄想を

今私の知らないあなたが読んでいる

書いた本人より妄想を膨らませて














秦本幸弥



●『死神とエプロン』

5/16発売!

双葉文庫
秦本幸弥 Yukiya Hatamoto

妻と幼い息子を残し急逝した西野は、訳あって冷徹な死神となってしまった。
それから1年後。上から指示された10人目のターゲットは、上のミスにより妻に設定された。
西野に生前の記憶はない。
最愛の妻を手にかけてしまうのか。それとも……。












プロフィール

みよ@こたつむり

Author:みよ@こたつむり
FC2ブログへようこそ!

旬の花時計
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
FC2カウンター