晩夏
朝四時五十分散歩に出る
まだ外は暗く虫の音が聴こえる
歩を進めるうちに
少しづつ闇が薄まってくる
闇が薄まると
虫の音に混じって蝉の鳴き声がする
虫なんかには負けないぞ
俺達はまだ生きているんだと
晩夏を惜しんで必死に鳴いている
油蝉のなかにつくつく法師の声がする
あゝ秋だ
昼間は暑くとも
やっぱり秋は確実にやってきている
そして
虫の音と蝉の声を聴き
家路につく
私の寂しい心と寂しい人々の心の穴を埋める詩集です。 つたない詩の数々ではありますが、どうか一人でも多くの方がこれを見て何か感じていただければと思います。