幸福の箱
誰も皆幸福の箱を持っている
今不幸な人は
幸福の箱のある事に気がつかないのか
幸福の箱の開け方を知らないのだ
私は幸福の箱を開けようとしているが
どうやら鍵の暗証番号を
忘れてしまっているようだ
あの暗証番号を書いた紙を
何かの本にはさんでおいた筈だが
その本のタイトルさえ忘れてしまった
突然躓いて机に当たったその拍子に
机の上の本が崩れ床に落ちてきた
たまたま本が開き紙切れが出てきた
それこそが私の探していた鍵の暗証番号だった
幸福とはある日突然
思いがけなくやってくる
私の寂しい心と寂しい人々の心の穴を埋める詩集です。 つたない詩の数々ではありますが、どうか一人でも多くの方がこれを見て何か感じていただければと思います。