汚れた水溜りの中に

雲が浮かんでいた

面白い形をした雲だった



突然雲を

車が轢いていった

雲は飛び散り形をなくした



やがて水溜りは静かになり

さっきとは違った雲を

浮かべていた












猫が日向で

目をとじじっとしている

眠っているのか

考えているのか



名前を呼べば

かすかに「ミャーオ」と

瞳をつむったまま答える



一日の大半はこの状態だ

猫には猫の世界があり

それなりに大変だろう



しかし何となく憧れてしまう

そんな自分を寂しく想う











パッとしない私



私が居る

およそパッとしない私が



何か秀でたものはないのかと自分に問う

考えるまでもなく「No」と答える



パッとしない自分と

何十年も付き合って来た自分

よく我慢してきたものだ



だからと云ってこれから何かを期待しても無理

いや もしかしたら何かが起きるかもしれない

人間死ぬまで何があるか分らない



そんなパッとしない私の

淡い淡いささやかな期待









今日という日



今日という日が

遠い過去となっていった時

今の切ない思いが

懐かしく思い出されるだろう



少しばかりの哀愁をまじえ









刻の海



刻よ止まっておくれ

この楽しい刻よ



今しかないこの刻を

永遠にフリーズしたい



しかし皮肉にも

刻は止まってなんかくれない

刻の海にまぎれ



もがいてもがいて

やっと見つけた楽しい刻を

刻の海が過去にする



楽しい刻よ

一秒でも長く立ち止まっておくれ









エコノミーorファーストクラス



媚を売る魂も

媚を売らない魂も



神とやらは一様に

いつかはあの世とやらに送り込む



あの世にもエコノミークラスと

ファーストクラスがあるのか

どうせ行くならファーストクラスがいい



その為にはやはり神に媚を売る必要を感じる

只どこまでそれが通用するかだ

しかしそれが通用するようでは

神の存在は無きに等しい



エコノミークラスになるか

ファーストクラスになるかは

行ってみればその時分る









各駅停車



ふと

各駅停車の電車に乗ってみたくなった



駅弁などを買って

ひとり電車に揺られ

車窓をぼんやり観つめる



景色は流れ流れゆき

自分も景色の中の一部と化してゆく



様々な人が乗り降りをし

会話が交され

それらが旅のB・G・Mとなる



ああ

なんてのどかなんだろう



心の中までリフレッシュされ

元気が泉のように湧いてきた









心の天気



空の様子は

ままならない



私の心も

晴れたり曇ったり



誰だって

晴れの日ばかりじゃない

それは分っているのだが



今日の空は晴れてはいるが

私の心はすっかり曇っている



空よ空

ちょっぴり風をおこし

心の雲を追っぱらっておくれ



私の心が陽の光で

眩しくて仕方ないほど









失望



世の中で

一番自分を失望させたもの

それは自分



認めなければいいそれを

認めた自分がいるから

さらに失望してしまう











訳があるの

少しだけ秘密にしておきたい

小さな訳が



大したことじゃない

だけど私の中で

少しだけ秘密にしておきたい



そんな探るような目をしないで

今はそっとしておいてほしい

後で分るわ

そんなつまらないことだったんだって



ほんの小さなこだわりがあって

今だけは秘密

少しだけほんの少しだけ

訳があるの









すれ違い



すれ違う

あなたとはいつも心がすれ違う



私は少しでも近付こうとしている

それなのにあなたは意識して

私に合わそうとしない



だからといって

私を嫌っている訳でもなさそう



頑ななその心は何

性格なのかもしれないけど

それって少し寂しいよね



でも私は待っている

いつの日にかきっと

あなたの首が縦に振られることを









詩は嗤う



紙の上で

言葉は詩の体を成さないまま

横たわっている



つついても

蹴飛ばしても

一向に起き上がらない



それどころか睨み返してくる

何ともふてぶてしい

私の語彙の貧しさを非難している



仕方なく横たわっている

言葉のかけらのいくつかを

繋げたり削ったりし

詩らしきものにした



詩はにやっと嗤って

重い腰を持ちあげた









それぞれ



マンションの

全く同じ間取りの部屋



壁ひとつ隔て

全く違う家具が置かれ

全く違うカーテンが揺れ

全く違う日常が流れている



あたり前のことであるが

不思議な気もする



それぞれの箱の中で

それぞれの家庭が

それぞれの人生を送っている



同じことといえば

皆今という刻があり

この時代を生きている



それぞれに









想い



今何かをしているだろう君を想う

何をしているのかとあれこれ想う



今君のことを想っている私を

多分知らずにいるだろう君



今私が君のことを想っているように

私のことを想ってくれている人がいるかもしれない



誰かが誰かを想い

誰かは全く違う誰かを想う



思いの念波は

宙を舞う



時には想いの念波がドッキングして

携帯を震わすことがある



想いとは不思議なアイテム









諦め



意味があるのか意味がないのか

分らないようなことを

さも意味あり気な顔をして

人々は意見を交している



それを聴いている側も

分ったような分らないような顔で

頷かざるを得ない



その間にもっと大切な事柄が

なおざりにされ闇へと葬られてゆく



こんなことではいけないと思いつつも

声高に意見も言えず

流されてゆく



今がなんとなく過ぎてゆけば

それ以上求めることもせず

諦め顔で溜息ひとつする









茜雲



覚悟はできていますか

私という厄介な人間と一緒に

悪路を歩むことに



その道は茨だらけです

もし嫌ならば

今なら大丈夫です断ってくれても

私ずっと一人だったから



只あなたと一緒なら

茨の道も苦になりません

だからって何も強要はしてません

どうぞあなたはあなたの道を歩いてください



いいんです

じっくり考えてください



ねえ観て

今朝の茜雲って

とびっきりきれいで最高ね









笑って笑って



いつの間にか

笑うことを忘れている

笑いの心を何処かに置き忘れている



只口角をあげ

目尻をほんの少し下げる

そんな簡単な動作を置き忘れるなんて



赤ちゃんが笑うように

少女が笑うように

意味もなく笑うことをポロリと忘れ

下を向くことが多くなった



取り戻さなければ

ポロリと忘れた笑いを



沈んだ心を揺さぶって

ほら口角をあげ

目尻をほんの少し下げて



意味なんてそんなものはなくていい

笑えば意味がついてくる

笑って笑って取り戻そう私を









春の風をまとって



いつからだろう

こんな気持ちになったのは



もう随分こんな気持ちから遠ざかっていた

季節のせいかな

それとも・・・



何がともあれ

こんな気持ちに浸れるなんて

ハッピーだ



ちょっとばかりお洒落して

春の風をまとって



そう

すました顔なんかして

颯爽と歩いたら

何か少し若返ったみたい



私の中にも

まだこんな自分がいたなんて・・・









神の裏切り



長い間

祈って祈って祈り続け

あっさり願いを裏切られ

神も仏もないものと

自分自身に言いきかせ

眠れぬ体に寝返りうたせる









本音



いいのかな

そんな簡単に本音をさらけ出してしまって

本音はもう少ししまっておいて

建前を小出しにしては



ん~無理かな

そんなに強い人ばかりじゃないものね

いいよ私でよかったら

あなたの本音

じっくり聴きます









おてやわらかに



冬は嫌いです

夏はもっと嫌いです



私の心じゃなくて

体が嫌がるんです



勿論四季があっての日本

四季があるから素晴らしい

それは十分わかっています

それでも体は正直で

春を待ちこがれます

秋を愛します



こんな我ままな私ですが

どうぞ夏よそして冬よ

おてやわらかに









夢よ



私の夢はどこにいった

この間ちょっと散歩してくると言っていた

それにしては長く帰って来ない



あのまま自由きままに

現実に向きあうこともなく

勝手に歩き回っている



もういい加減

現実と対峙してもらおう



お~い夢よ私の夢よ

いつまでもふらふらしていないで

叶おうと思わないのか

君だってその方がすっきりするだろう



誰よりも私が一番望んでいるから

夢よ私をじらさないでおくれ









思いやりって・・・



あの日

嘘をついた

あなたを傷つけまいとして



結果として

あなたを傷つけた



思いやりって

むつかしい

因数分解よりも









花の咲く庭



知っている

あの橙色の屋根の家の庭には

いつもとてもきれいな花が咲いていて

散歩の時

その花を見るのが楽しみなの



きっと花が大好きな

心の優しい人が住んでいると思う



私は勝手に決めている

優しい人だって



だってこんなにきれいに花を咲かすには

花に愛情を注がなければ

花もそれにこたえてくれないもの



この花のお陰で

散歩の足が軽くなる

私の心も軽くなる









生を受けて



私は生まれた

何もかも計算しつくされた地球上に



私は「嫌だ!」と拒んだ

何度も何度も

しかしその願いは虚しくも拒絶され

地球上に生を受けた



思っていた通り過酷だ

まあ何はともあれ

私は私の道を歩いてきた



これから先も岐路を選択し歩き続けるだろう

それが明るいものになることを

心から願ってやまない









解凍しよう



いつかきっと

いつかきっと私のこと

忘れてしまう君がいる



想い出なんてあやふやなもの

いつかは薄れていくものと

分かってはいても何故か寂しくて



あなたの想い出の中には

もう進入禁止の私



私の中のあなたは

まだとても新鮮のままフリーズされている

いつだって取り出し自然解凍できる



あなたの中の私は

気の抜けた香水



もうかまわない先に進むために

私の中のフリーズされた君を

全て解凍してしまおう









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