稲は頭を垂れている

十分稔ったからと



稲は艶やかな顔をしている

身も心も成熟したわと



思い切り秋の陽を浴び

その体は陽の光を目一杯はね返している



眩しいとても眩しい

眩暈を覚えそう



黄金色の体は秋風に身を委ね

怪しく誘う

もういつでもあなたのものになれると



ここまでここまで成熟した君を

私は一束ひとたば私のものにしてゆく

たとえようのない快感と共に










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ジャンル : 学問・文化・芸術

森の秋



カサコソカサコソ音させて

子りすがチョコチョコやってきた

カリカリコリコリ音させて

しいの実くりの実とちの実を

頬っぺいっぱいほうばって

あっぷっぷの顔になる

冬の支度に忙しい

カリカリコリコリ音させて

子りすがチョコチョコ去ってゆく

カサコソカサコソ音させて

森の秋は暮れてゆく










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成長する詩



おはようとこんにちはの間に

何かが隠れている



それは陽の目を見ない私の詩だ

あまりに幼稚で恥ずかしすぎて

そいつは手を差し伸べても

引き出しの奥から出てこようとはしない



そいつはもう少し成長するまで待ってくれと云っている

私は分っている

そいつがどうあがいたって成長しないことを



作者の私が承知しているのに

頑なに拒んでいる



しかし私は気が付いた

そいつは私の手から離れた瞬間から

自らが成長しようと努力しているのだ



彼には申し訳なさで一杯だ

私は彼に気を遣わせてしまう作品しか書けない自分を

心から恥じた









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葉書の気持ち



葉書に文章が書かれている

まるでなってない文章だ

おまけに文字は乱れている



葉書は心なしか嫌がっている

多分文句のひとつも言いかろう

同じ書かれるのなら

もう少し気のきいた文章の方がいいにきまっている



葉書の気持ちとは裏腹に

筆者は葉書一杯に書き付け

しかも最後の方は行がつまっていて

はっきり言って何が書いてあるのか

さっぱり分らなくなっている



葉書は大きな溜息をつき

まあこんな日もあるさ

と自分にしぶしぶ言い聞かせた









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八つ当り



無性に腹がたった

だから地球を蹴ってやった

気分はすっきりしたが

蹴った足が少し痛い



私には聴こえた

地球が「ざまをみろ」と言ったのが



私の八つ当りの蹴りが

地球にそう言わせたのだ



痛かったのだろう

何の罪もない地球を

蹴った私が悪かった



おまけに靴の先が

少し痛んでしまった



ところで何に対して

腹が立っていたのか

思い出せない私に



腹が立っている









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あなたはだあれ?



あなたはだあれ?

あなたはあなたであって

決して私とは交わらない

不思議な何かを持っている

得体のしれない人



あなたは突然私の前に現れたり

またふいに消えたりする

掴み所のない人



私に興味を持ちながら

さもつまらな気に

私を無視する



私はあなたに戸惑いながら

それでもあなたとの距離を保つ



私はあなたを愉快とも不愉快とも思うし

あなたはとっくにそれに気が付いているのに

知らん顔して付かず離れずにいる



あなたはあなたは

そんなあなたは

私の・・・・・

もうひとりのわ・た・く・し









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サッカーボールの人生



サッカーボールは長い間

誰にも相手にされず

倉庫の片隅に転がっていた



体のあちこちには

かって何度も蹴られた

傷痕が幾つも残っていた



しかしあの頃は

私の青春だった

燦々と煌めく太陽の下で

大歓声を浴び

走り廻っていた



選手達は私を奪い合い

闘い

私がゴールに入る度

歓声がおこった



あの頃の感触を想い出すと

身震いする

今は少し空気も抜け

只丸く丸く転がるだけ



ふいに倉庫の戸が開けられ

子供達が入ってきた

子供達は私を掴んで蹴りだした



ああなんて眩しいんだ

子供達に蹴られ

あの感触が甦った



私はこの第二の人生を

心ゆくまで体で味わっていた









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数字



数字はあたり前のような顔をして

そこここに居座っている



人々の会話の中に

T・Vの中に

はたまた電信柱にも



数字が話題に上らない日はない

会社や銀行などは数字がなくてはやってゆけない



老人の頭の中にも

子供の頭ノートの上にも



数字は見えたり見えなかったりするが

確実に社会の中で胡坐をかいている



数字はしたり顔を上手に隠し

人間を翻弄している



人間はそれに気が付いているのかいないのか

知らない振りをして

しっかり数字の虜になっている









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秋の夕暮れ



夕暮れ

秋の夕暮れはロマンチック

ちょっぴりちょっぴり物悲しい



あの夏の日のざわめき

ぎらぎら輝く太陽に波の音



そんな諸々を置き去りにして

秋の夕暮れは



恋をひとつ

失ったような顔をして

きざに詩など口ずさむ



赤とんぼは空に

芒の穂が涼しげに

赤く染まった秋桜は

物憂げに風に揺れている



秋の日の夕暮れは

心にぽっかり隙間を作り

とってもとっても物悲しい









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曼珠沙華



曼珠沙華が咲いている

燃えるように咲いている



時を忘れずに確かに咲く

その立ち姿は

フラメンコのダンサーの如く

妖艶だ



決して誇示しているのではないだろうが

心から見惚れてしまう



赤・紅・朱・・・

真赤に咲く曼珠沙華は

充分野で踊りきり

やがて舞台から降りてゆく









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友達



友達がいます 東北に

まだ逢った事はありません

逢った事はないけど 友達です



冬は真白な 雪ばかり

そんな所に 住んでいます



行った事はありません

頭の中 そう頭の中だけで



友達の 顔も

住んでいる 所も



描いて 描き続けて

もう 十年以上もたってしまいました









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水溜まり



昨夜かなり強い雨が降った

空地にはいくつかの水溜まりが出来た



子供達はその中の一番大きい

水溜まりを何度も飛び越えていた



うまく飛び越えられた子

何度も失敗する子



学校に行く前の皆が集まるまでの一刻

何度も何度も繰り返し

その度に水溜まりに落ちている



靴も靴下もびしょ濡れになった子は

学校で冷たい思いをするだろうに



しかし今の彼等には

そんな想いは毛頭もない

今その時を楽しんでいる









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爪痕


大きな台風が

あまりにも惨い爪痕を残し

去っていった



大自然の猛威には

人は成すすべもなく

唯惨状を見つめるばかり



秋だ 風が秋だ

首筋がゾクッとする










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あきあかね



あきあかね

あきあかね

まだ真紅になりきれぬ

あきあかねが

夕焼けに

きらきらと染まり



萩へゆき薄へゆき

そして真紅な太陽へ

全身を金色に輝かせ

すべるように飛んでゆく



この刻は

この今の刻は

私の出番だと

大きく円を描いてみせる



本当の秋は

あの山の向こうに来ている

そう言いたげな

あきあかねが

小川の上に出て

楽しげに

橋の下をくぐって行った









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人間とは



世の中には

得体のしれない動物がいる

中でも人間が一番得体がしれない

顔とは裏腹に

頭では何を考えているのか



笑顔に気を許し

うっかり近づくと

痛い目にあう



動物は心を開いて付き合えば

大旨仲良くなれる



人間とは人間とは

大海の様な優しさと

炎の様な激しさと

果てしない包容力を持つ



そんな人間が私は好きだ









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なみだのせいぶん



なみだがでる

かってにでる



かなしくて なみだがでる

うれしくて なみだがでる

くやしくて なみだがでる



なんのかんじょうもないのに

あくびをしてもなみだがでる



みんなしょっぱくておなじなみだなのに

かなしいときとうれしいときとでは

なみだのせいぶんがちがうそうだ



からだのなかで

りょうりみたいに

びみょうにさまざまな

すぱいすをしゅんじにいれるのだ



いや~かんどうした

かんどうしたときのなみだは

どんなすぱいすがはいっているのだろう









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十六本目のきゅうり



そのきゅうりは誇らしげに言った

わたしはこの苗のきゅうりで

もう十六本目なのよ



大地から生えてる訳じゃないのよ

ちんけなプランターからなの



わたしを育ててる小母さんは

毎日毎日水をかけてくれ

たまには米かし水や栄養のある水もくれたりして



そして一杯生ってね 大きくなってねって

そんなに毎日言われたんじゃ

生らない訳にはいかないでしょ



もう季節は秋なのに

わたしは十分頑張ったのに



それでも小母さんは欲張って

十七本目も生らそうとしている

なんて欲張りな人だ



でもそろそろ終わりにして貰いたいな

十六本目のきゅうりはつくづく思った









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鬼ごっこ



頭の中でいつも言葉が鬼ごっこ

つかまえたはずの言葉が

スルリと手から抜けだして

またまた言葉と鬼ごっこ

もう止めようよ

追いかけるのに疲れたよ



それでも鬼はニヤリと笑い

鬼ごっこは終わらない



鬼さん鬼さん私はもう眠ります

続きは明日にしましょうね

やっと鬼から開放されて

夢の世界の人となる









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まったりとまったりと



うざったい

心がうざったい

さも分ったようなしたり顔して

私の体の中に巣くう



嫌なことなんて想いたくないのに

自分をいじめたくないのに

もっと楽しいこと想いたいのに



私の気持ちを裏切って

心は暗い方へ暗い方へと落ちてゆく



もう!心なんて心なんて

石っころみたいに静かにしてろ!

全くうざったいんだから



空を観た

きれいな夕焼が広がっている

空が雲が茜色に染まり

少しづつ心が茜色に染まってきた



うざったさも茜色に溶けていった

心がまったりと夕焼を観ている

まったりとまったりと









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不幸の湯船脱出



人は誰しも

いくらかの不幸を抱えて生きている

その不幸の度合いが違うだけ



不幸を不幸と想わない人

不幸を力強く撥ね飛ばす人

不幸にどっぷり浸かる人



不幸にどっぷり浸かっても

決して湯加減は良くないのに

なかなか出る事が出来ない



少しだけ少しだけ力を入れて

その湯船から出れば良いだけなのに

たったそれだけの力が出ない



あちらの湯船にも

むこうの湯船にも

気持良さそうに人々が浸かってる

「あちらにあちらに行きたい!」



さあもう一度もう一度

湯船の縁を掴んで

「いちにのさん!」



「不幸の湯船から湯船から脱出出来た!」

まだまだ湯加減はいまいちだけど

これから少しづつよくしていこう









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ちょっぴり嬉しくて



私 自転車買いました

あえて報告する程の事ではありません

しかも安物ですし



ずっと前から買い替えようと思っていたから

ちょっぴり嬉しくて



前の自転車は中古で買った物で

買った時から前輪のタイヤが

かなり擦り減っていた



今ではゴムの部分から布が出ていて

空気を入れても一回乗るだけなら

まだ大丈夫だったんですが

二・三日でペチャンコになるようになった



それが今日は空気を入れても

じきにペチャンコに

あ~あやっぱり買わなきゃ



と言う訳で新車購入

今時珍しい事でも何でもありません

でも私ちょっぴり嬉しくて・・・









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いつか来る日のために



いつかこの日と別れる日が来る

今は信じられないけどいつか来る



それはいつ来るのか

どういう形で来るのか

今は全く分らない



その時が今突然来てもいいような

そんな生き方をして来たか?



YESとは云えない

YESと云えない生き方しかして来なかった



只云えることは

必死で生きて来た日もあった

いい加減に生きて来た日もあった



悔いはある

いくらでもある

あるけれどやり直しは出来ないから



いつかこの世と別れる日が来る

今は信じられないけどいつか来る



その日のために少しだけ

もう少しだけ悔いを少なめにしよう









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九月



八月が過ぎ

九月と向き合っている



もう少し九月らしい顔をしてやって来るかと思ったが

意外にもまだ八月を引きずっている



多分九月も面喰らっているのだと思う

もう少し九月らしい顔をしたいと



九月もそのうち慣れるでしょう

どこかで彼岸花も咲いているという

やっぱり九月だよ



たとえ八月のような暑さが来ても

九月は九月の顔をしていればいい

ちゃんと朝晩虫も鳴いているし



九月はやっぱり九月だよ









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怒ってるぞ



僕は怒ってるぞ

絶対許してやるものか

たとえ「ごめんなさい」と言われても



大体僕がこんなに怒っていること

あいつは気が付いているだろうか?



あいつのあの顔見ていたら

そんなことこれっぽっちも思ってなさそうだ



あいつが思ってないのに

僕だけ思っているなんて



そんなことってそんなことって

絶対に損

損だけど怒ってるぞ



あ~損だ損だ

損でも怒ってるぞ

もう~ 怒るの損



や~めたと

ふ~









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もしかしたら



今 私なにしてると思う?

あのね 掌ひらいて

赤いボールペンで線を書いているの



手相の本を観ながら

お金持の線とか

良い運命線とかね

そんな線を書き込んでるの



その線毎日書いていると良くなるんだって!

本当かな?

眉唾物だよね



もう!信じて書かなきゃ駄目なのに~

信じられないなんて哀しい

嫌な性格



改めて赤い線が書き込まれた掌を観てみる

信じられなくても信じられなくてもいい

今日一日だけはこのままにしておこう

もしかすると

もしかするかも・・・









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