両方わたし



忘れやすい忘れやすい

人の名前をすぐに忘れる



忘れるくせに忘れられるのは寂しい

随分勝手だけれどそんなもの



忘れにくい忘れにくい

昔のどうでもいいことは忘れない

忘れたいのに忘れられない



忘れるこころと忘れられないこころ

二つあって二つ揃って両方わたし









テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

選択



今 は生き物である

今 と云う現在は

驚くほどの速さで過去になってゆく



様々な未来を

今が選択する



行くと云う今があり

行かないと云う今がある

どちらでもない今もあり



どれを選択したかで

未来が全く別物になる



そんな大事な作業を

事もなげに選択する人

慎重に選択する人



私自身も書く自由と

書かない自由があり

今は書く方を選択している



人より良く行きたいと願って選択する

吉と出る人 凶と出る人

この違いはどこにあるのだろう









テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

秋はそこまで



虫の音が聴こえ

吹く風の暑さの中に

秋が入り交じっている



夕陽が色づく頃

秋あかねが

爽やかに空を舞う



道端にころがっている

石にさえも

秋が影を落している



黙っていても

何もかもが

秋色に染まってゆく



夏は何か

忘れ物でもしていないか

蝉の骸が

物言いたげに横たわっている









テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

不器用な私



このままでいいですか

飾らない私でいいですか



言葉を 心を飾れないのです

心に嘘がつけなくて

お上手もうまく言えなくて

素のままの私です



人は言います

不器用な人ねって

ちょっぴり心は傷つくけれど

それが私ですから仕方ありません



でもそれを

あなたはこのままでいいと

変える必要なんてないよって



嬉しいです

私は私のままで

あなたと居られて幸せです

とてもとても幸せです









テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

出直し



そんなに歎かないでください

私まで哀しくなります



それはそれは辛かったと思います

あんなに愛していた人が

突然姿を消してしまったんですから



でも彼女も散々悩んでの事だと思いますよ

とは云え一言くらい相談して欲しかったですよね

分ります分ります



今日は思いっきり酔っぱらっちゃいますか

私もあなたに付き合います



もしかしたら「ごめんなさいね!」

なんて云って突然帰って来るかも

そんな事はもうないって?

そう・ですか



今度二人で海なんか行ってみませんか

夕陽が沈みかかる海へ

彼女との想い出捨ててきませんか



そして一夜明けた朝日の登る海で叫びませんか?

「もうすっかり立ち直ったぞ!!」って

ねっ!!









テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

秋よ来い!



早朝の散歩

あれ程にぎやかだった蝉時雨も

ぴたっとやみ虫の音が聴こえる



赤い大きな太陽が少しづつ顔を出し

西の空には白い月がくっきりと浮かんでいる



太陽は少しづつ高くなり

赤から黄に近くなると

月も白く薄く透けてくる



虫の音も徐々に小さくなり

時折法師蝉の声が聴こえたりする



日中はまだまだ残暑が厳しいが

季節は着実に秋に移行している



秋には近付いているようだが

暑くて体中から汗が噴き出す

目の下の汗は涙のように頬を伝う



本当のすっきりした秋よ

早く早く来い!









テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

笑っていて欲しい



「仕方がないじゃない」とか

「だって」とか

否定の言葉から始まる君の会話



僕は別にかまわないけど

そう云う言葉って

君にとってとてもマイナスじゃないかな



慎重なのは分るよ

でも時には余計な事考えないで

飛び込んでゆくって事があってもいいじゃない



ほらほら苦虫を潰したような顔しない

笑って笑って!



こんなに笑顔が素敵な人ってあまりいないよ

僕が好きになった人だから

だから笑っていて欲しい









テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

蝉の骸



入道雲がもくもく出ている昼さがり

やけに暑い晩夏の道端の木に

あぶら蝉が止まったまま死んでいた



暑いあついあまりに暑い夏を

彼はやけくそで哭き通したのか

それとも悟りきって哭いていたのか



短かいみじかいとても短かい地上での

只哭くだけの一生を

何を思って哭き通したのか



彼の骸は潔く木にしがみついたまま

体は木に残し魂は昇華していった



骸はまだ生きている様だ

やがて地上に落ちてしまうだろゐ

それまで威厳を保ち木に留まっている

あっぱれなあっぱれな最期ではないか









テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術



階段を登ったりする時

思わず数えてしまう

それだけではない

風呂に入った時

湯船に体をしずめ

やはり数えてしまう



この癖は

かって内職をした頃から

いつしか身についてしまった様だ

一つ数円の仕事をし

今日はいくつやったかで

その日の出来高が出る

何となく侘しい癖だ



今日も階段を登りながら

数えてしまった

思わず笑えた

笑いながら登った階段



さて人生の階段は

何段まで登ったのか

その階段

最後まで笑って登りたい









テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

月のままで



今夜は満月です

黄色の月が眩しいほどです

うさぎが餅をついているあの月に

人が降り立ったなんて

本当なのでしょうか



テレビでは観ていても

あの黄色の美しい月が

クレーターだらけの

不毛の地だなんて



月は月のまま

美しいそのままで

餅をついていてほしい

謎めいていてほしい

月は月のままで









テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

晩夏



つくつく法師が 哭いてます

夏がゆくよと 哭いてます

つくつくつくづく 哭いてます

夏がゆくよと 哭いてます

声をかぎりに 哭いてます

夏がゆくよと 哭いてます

たかが晩夏の 一刻を

されどつくづく 哭いてます









テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

地球の端っこ



地球は丸いと云われているが

本当は平板なのではないか



私はまだ地球の端っこに行った事はないが

確かに端っこはあると思う



大海原の水平線のあの向うは

海の水がきっと滝のように落ちているだろう



私はまだ地球の端っこに行った事はない

恐ろしいまでに高所恐怖症だから









テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

心が欲しい



心が欲しい

何枚もの心が欲しい



怒りんぼうの人と話す時は

スーパーマンみたいな強い心を



寂しがりやの人と逢う時は

天女の羽衣の様な心で



心が挫けてしまった人と接する時は

広い海に抱かれた母の慈しみに似た心



その時々に羽織り変え

皆を助けてあげられたなら

自分が一番幸せになれる



そんな着せ替え人形みたいな

素敵な心を下さいな

お願い神様ワンセット









テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

いじらしい



詩ができた

きっと他人が見たら

駄作と想うだろう



しかし自分だけ

自分だけは

秀作と想っておこう



それじゃないと

この詩があわれになる



今日もこうして

秀作が一編できた



と 悦になっておこう



こうして秀作という名の

駄作にうもれ

得意になっている

自分をじっと見つめている

そんな自分がとてもいじらしい









テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

砂山



手の中の砂を

少しづつ落としてみる

砂は音もたてず

地面に小さな山を作る



何度も繰り返し

足元の山は少しづつ高くなる

どうしてこんな事をしているんだろう

自分の中のどうしようもない気持ちを

解決できず



手の中の砂は

自分の意志とは裏腹に

砂の山を高くしている

自分の中ではもう決まっているのに

自分の中の何かが砂の山を高くしている

それはもう一人の私かも……









テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術



心がもじもじもじもじしている

自分の想いがうまく伝えられず



心がざわざわざわざわしている

心配事で埋め尽くされ



心がわくわくわくわくしている

楽しい事が次々やってきて



心がぐずぐずぐずぐずしている

なかなか決心が出来なくて



心はダンスする小鳥のように

心は深く深く沈む夕陽のように

心は浮き上がるぼうふらのように



心は心はじっとしていない

良い方へも悪い方へもふらふらする

心はとてもとても浮気者

どうしようもない程浮気者

です・・・・・・









テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

不用意な言葉



私の口から出た言葉が

本人の制止もきかず転がりだした



まだ頭の中にあるうちはよかった

どうしようと思っている間もなく

触発され口から出てしまった



口を押さえた時にはもう遅かった

あんなに用心していたのに

不用意な言葉が口をついて出た



転がり出した言葉を追いかけたが

私の足では間に合わない



おまけに転がり出した言葉は

私を振り返り

あっかんべーまでしている

もうなるようにしかならない



反省しても遅いが

これからは言葉は口に出す前に

頭の中でよく吟味してから出そう









テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

今はそれしか云えなくて



嘘をついたつもりはない

あの時はそれが真実だった



でも何年かたった今

何かが少しづつ狂ってきて

あの時云った言葉が

結果として嘘になってしまった



往生際が悪いと思うかもしれない

でも嘘をついたつもりはない

何かの所為にする訳じゃないけれど



騙すつもりなんて

これっぽっちもなかった



だけどごめん!

君の気の済むようにして



今はそれしか云えなくて

今は只それしか云えなくて・・・









テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

子供の瞳



子供の瞳は美しい

きれいと云うより美しいが似合う



白目が蒼みがかった白をしている

その瞳で微笑まれると

微笑まざるを得ない



この美しい瞳は

いつから濁ってきてしまうのか



世俗の垢とやらに触れる度に

透明度をなくすのか



それにしても子供の瞳は美しい

無条件に美しい



この美しさを少しでも

少しでも長く保ってほしい



子供の瞳よ

あなたの瞳は大人の疲れた心を

癒してくれるのに十分だ










テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

手紙



あなたに手紙を書いています

でも手紙と云うよりも

何か詩めいています



あの時一緒に行った草原の風景と

風の気持ち良かった事



あの時の風を缶詰にして

一杯いっぱい缶詰にして持って来たかった

時々開けてみたいの



缶詰を開けた瞬間

あの時の風と風景が蘇るって

素敵だと想わない?



あなたこの手紙読みながら

きっと笑ってるでしょ



いいのよ笑っても

それほど素敵だったの

あの草原の出来事・・・



また誘ってくださいね

待っています









テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

学習机



粗大ゴミが出されている

マットレス本棚ガスコンロ等々



その中に学習机がある

あちこちにワッペンが貼られている



小学校入学前

家具屋に親子で見に行き

気に入って購入されたであろう机

今は他の粗大ゴミと一緒に肩を並べる



小学校中学校いや高校までもか

子供の成長と共に過ごしてきた

時には叩かれ時には傷つけられ

机は子供の成長をつぶさに見てきた



そして子供は学習机を卒業し

社会へと飛び立ったのだろうか



机は寂しげに誇らしげに

己の責務を全うし佇んでいる


雨が降り出した

学習机の嬉し涙か哀しい涙か・・・









テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

謝罪



小学生の頃夏休みの宿題で

昆虫採集をした



トンボを蝶を蝉を

羽根をひろげて虫ピンで止め

箱の中にきれいに並べたりした



今考えてみると

随分多くの虫の命を奪ったものだ

あの頃は酷いという意識もないままに



それは子供だったから出来たのか

あまり何も考えていなかった

ひとつ云えることは罪の意識はなかった



今ならとても出来ない

それは命の尊さを知ってしまったからか

自分が弱くなったからか



宿題という名のもとで

奪った命に謝罪したい









テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

笑う



笑う笑う

ワッハハと笑う



笑うと顔も笑っているし

声も笑っている



お腹も笑っているし

体中が笑っている



そして空気も笑い

空も笑う



笑うって笑うって

楽しすぎて伝染しちゃう









テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

準備



私の体はどうやら時々

見知らぬ所でうろついている様だ



時間的には

私が家でまったりしている時が多い



友人が昨日公園で君に声をかけたけれど

知らん顔して行ってしまったよと



昨日は一日家に居て外出していない

また私はうろついていたのか



始めは否定していたが最近は

ちょっと用事があったからねと

言う事にしている



それにしてももう一人の私は

何の為にうろついているのか



もしかしたら彼岸に行く

準備をしているのかもしれない









テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

私では駄目ですか



駄目ですか

私では駄目ですか



あなたの深い悲しみを癒してあげるのは

私では駄目ですか



あなたの知っての通り

私は口下手です

どんな言葉を使って話したら

あなたの悲しみを癒してあげられるのか

正直私には自信はありません



それでもあなたのこと放ってはおけなくて

お節介ですよね



あの~私あなたの目の届かない所に居ます

もしも声をかけたくなったら

その時は言ってね



ごめんなさい

こんなことしか出来なくて

でも・・・

あなたの悲しみを癒すのは


私では駄目ですか









テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

記憶のスープ



私は何のために生まれて来たのか

生まれて瞬間前世の記憶をなくした



人は生まれる前に

記憶をなくすためスープを飲むのだとか



そのスープを飲まずに生まれて来た人は

どうやら前世を記憶しているらしい



多分私は意地汚くスープを沢山飲んだから

今の世に何のために生まれて来たのか分らず

今も日々思いあぐねている



小さい頃から何か目標を持って突っ走っている人は

きっとスープを飲む量が少なかったのかもしれない



と云う事は

今のこの意地汚さは前世からのものか

こんな記憶こそいらない



あゝスープの量少なくしておけばよかった

今度生まれて来る時は絶対少なくしておこう









テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

年代物



私は扇風機

気怠そうにぐるぐる廻る

年代物の扇風機

おん年四十才

よくもまあ廻り続けたものだ



ちゃんと手入れさえすれば

長くもつものだと

使用人に朝から晩まで

休みなくこき使われている



まあ働くと云っても

夏場の四ヶ月程だ

後は暗い箱の中に入れられ

次の夏までひたすら眠るだけ



精々怪我に気を付けて

後もう少し頑張って

使用人の役にたってやろう

おはらいばこになるまで…









テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

みよ@こたつむり

Author:みよ@こたつむり
FC2ブログへようこそ!

旬の花時計
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
FC2カウンター