回転木馬



私は回転木馬

同じ道を来る日も来る日も

ぐるぐる回る回転木馬

自分の意志で走りたい

誰も乗せずに走りたい

そんな野望を抱く私は異端児だろうか

私の親もそのまた親も

同じ人生を送った

私はそんな人生はまっぴらだ

軽快な音楽の中で走っていても

瞳が涙で潤んでいたのを

人は知っていただろうか

耐えがたい屈辱と悲しみの涙を

人は知っていただろうか

ああ、この手綱を切って自由になりたい……

悶々とした思いが体の中で渦巻く



ある日こう言われた

もうお前は用済みだどこへでも行くがいい

私はこおどりして喜んだ

これで思いきり走れると

しかし手綱を切られた私は

一歩も歩けなかった

なんということだ

この時をあれほど待っていたのに

そんな馬鹿なことが……

横たわった瞳から

止めどもなく涙があふれた

目の前を次々と仲間が焼かれてゆく

引きつった笑いが喉をゆすった

私の人生はいったい何だったんだろう

私はやっぱり回転木馬

ありきたりの回転木馬

私は悟ったこれが私の人生だったんだと

じわりじわり焼かれてゆく中で

意識は次第にうすれていった











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ジャンル : 学問・文化・芸術

夜と雨


夜雨が

ポツリポツリと降りだした



雨が夜

ポツリポツリと呟いた



夜雨が

バシャバシャと降りだして



雨が夜

バシャバシャと怒鳴ってる



夜雨が

ポツンポツンと止みかけて



雨が夜

ポツンポツンと黙りだす



雨の夜

呟き

怒鳴り

黙ったよ











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書きかけの詩



詩が大あくびしている

いくつかの詩が詩の体を成さないまま

本と本の間でふて寝している



これらの詩を何とか世に出してやろうと

考えに考えているのだが

挫折の連続だ



詩には申し訳ないのだが

私の語彙があまりにも稚拙すぎて

もしかするとこのまま

ゴミ箱行きになりそうだ



書きかけの詩が

チラッと私の方を観て

「お前の頭は所詮そんなもんさ」と

冷たい言葉を浴びせた



私は詩に何の言い訳もせず

虚しさだけが心に残った



そしてゴミ箱に捨てかけた詩を

また本の間に入れてしまった



入れられる寸前の詩に

「俺を世の中に出せもしないのに

捨てる勇気もないのかい!」と

罵声を浴びせられてしまった

私の心は甚く傷ついたまま何も出来ないでいた









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心ころころ



心ころころ どこにある

人にけられて こ~ろころ

自分で迷って こ~ろころ



心ころころ どこへゆく

ゆくとこ分らず こ~ろころ

道に迷って こ~ろころ



心ころころ ゆきつく先は

温いところよ こ~ろころ

あなたの心へ こ~ろころ









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味のある人間



神社の前に大楠の木がある

樹齢は何歳になるのだろう

三十年前から見ているが

あまり変わらない様に見える



多分太さも高さも

大きくなっているだろう

しかし日々見ていると

変化が分らない



それに比べ

自分の顔は毎日見ていて

同じ様に見えるが

哀しいかな確実に老いている



いつの時点で老いているのだろう

一番長い間顔を見る事のない

睡眠時だろうか



刻を重ね樹は貫禄を増すが

人は老いてゆくばかり

せめて味のある人間になりたい











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カラス



カラスが可燃ゴミを食いちらかしている

嫌われ者のカラス

カラスが白かったら少しは好かれただろう

それに鳴き声も可愛くない



何故こんなにとことん嫌われるように

神様もカラスを創ったんだろう



カラスは自分のことどう思ってるのか

きっとカラスは人間ほど考えないから

カラスをやってられるんだろう



いや 案外カラスは

人間を気の毒に思っているかもしれない

もしかしたらカラスの方が幸せかも



私がカラスをやっていた頃は

何と思って生きていたのか

遠い遠い昔のことだから

とんと想い出せない









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寝 言



言葉が一人歩きしている

かっては私の頭の中にあったあの言葉が

何故か一人歩きしている



私はあの言葉をどこで発したのか

想い出すことさえ出来ない



友人に言ったこともないし

詩に書いた覚えもない

一体どこから漏れてしまったのか



あの言葉が世間に広まったらまずい!

何とかしなければ



焦れば焦るほどいい知恵が浮かばない

そうだ!

言葉が休んでいる間に

そっと袋をかぶせ口を塞いでしまおう



手前十メートル先に言葉が休んでいる

そっと そっと それ~!

言葉は袋の中でもがいている



私は言葉に問いかけた

お前はいつ私の口から出たんだと



「ふふふ気が付かなかっただろう」

「あんたの寝言さあんたの寝言」

私は思わず口を塞いだ

これからは気を付けねばと…









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吠える



やたらとよく吠える犬が

前の家に居ます



一日中繋がれたままです

彼には彼の

それなりの理由があるのでしょう



気にくわない奴だとか

散歩に連れていけだとか

超ムカツクとか



それにしても吠えすぎます

かなりうるさいです



まあもう数年もしたら

彼も逝くでしょう

そしたら静かになります



でももしかしたら静かになるのは

私の方かもしれません

それは神様の領域ですので

どうなりますことやら…









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ちっぽけな詩



私って何だろう

唯の六拾五億分の一

たった六拾五億分の一

そんなちっぽけな私って何だろう



何しに来たのこの地球に

ちっぽけなちっぽけなこの私



ちっぽけな蟻んこみたいな人間が

地球という星に六拾五億

体はちっぽけでも心のでっかい人が

世界を自由に廻してる



私はころころ廻されて

目が廻っちゃった



どっこいしょと立ち上がり

ちょっぴり足をふんばって

振り廻されない様ふんばって



ちっぽけと言われてもかまわない

誰かの心に少しだけ

届く詩を書いてゆこう

ちっぽけな私のちっぽけな詩

誰かの心にと~どけ!









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盛付け



言葉は浮かんでいる

言葉は流れている

言葉は落ちている



いっぱい溢れる程あるのに

上手く味付け出来ない



決して上等なお皿に

盛ろうなんて思ってやしない



私の詩なんて

所詮百均の皿でいい



味付けが下手なら

せめて盛付けだけでも良くしたい



この程度に盛付けておいたら

ちょっとだけ誰かの目を引くかも

どうかしら

こんな盛付けは…









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花椿

花椿


花椿

落ちて

心の

大切な

何かがひとつ

消えそな

真昼











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二月の役目



二月がポツンとベンチに座っている

何となく申し訳なさそうだ



どうしたのと訊いてみると

皆に立春が過ぎたのに

どうしてこんなに寒いんだ!!て



雪は降らせるし

北風は吹かせるし

いい加減なこと云うな!!て



誰が二月に立春創ったのかなあ

何か申し訳なくて気が滅入ってしまって



そんなことはないよ

二月はねこれからもうじき春が来るよ

だからまだちょっと寒いけど

これから様々な花が咲く準備をしてるから

それまで待っててねって

それが二月の役目なんだから

もっと胸を張ってにこやかに

ね!二月さん









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言葉のゴミ



言葉はどれだけ口から出しても

ゴミみたいに溜まっていかない



それは目に見えないだけで

本当は積りに積もっているのだ



そして地層のように言葉の断層もある

これから科学が発達して

言葉にも断層があるのが発見される



皆さんこれが原始時代の言葉の断層です

この様な色をしてこの様な話し方がされ

う~んやたらと擬音が多かったのですね



なんて具合に言葉にも形があったら

面白いけどやっぱりじゃまくさい



しかし録音された言葉はいつまでも残る

あれもいい面もあるがその反対も



やはり言葉のゴミはややこしくなるから

溜まらない方がいい









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絶 望


私 絶望してるよ

何度も絶望してる



その度に自分をいじめ

そして自分に云いきかせなぐさめて

何とかここまで生きてきた



自分の良い所って多分あると思う

でもあまり気がつかない



悪い所なら笑っちゃうくらいある

人が良いって云ってくれる事も

自分では嫌いな事ってあるし

つまりはネガティブなのだ



そんな私だって

誰かのように

自分を褒めてやりたい事だってある

心から嬉しいそんな時って



あまり嬉しくて

世の中の空気まで違って観える

心もワクワクしてる



出来る事ならそのワクワク感が

長続きしてくれたらと思う

ずっとずっと…



私 絶望してるよ

何度も絶望してる









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影がひとつ

悲しそうに俯いている



俯きながらとぼとぼ歩く

歩いては止まり歩いては止まる



悲しみがひときわ高まったのか

今度はうずくまってしまった



うずくまると

影と持ち主がひとつになり

心なしか体が小刻みに揺れている



泣いている

………

暫くして立ち上った影が

おもむろに歩き出す



そして心が決ったのか

影の足どりが急に軽くなった









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散 歩



散歩に出た

いきなり冷たく強い北風に

顔を 体を 叩かれ進む



口からは自然に

「寒い!!」の連発

途中からは雪も加勢



それでも体の芯は

少しずつ温かくなってくる



久し振りの散歩

今日は少し短縮した

心なしか木々もふるえて見えた









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カプチーノ



冷たい風が吹き

黒い雲が垂れ込めている

家々の窓は固く閉ざされ

人をも拒むようだ



こんな日は

雪でも舞いおりそうだ



思い出したように

時折犬が激しく吠く



雪の精が

舞いおりるのを迷っているのか

冷たい風だけが

頬をなでてゆく



ああ こんな日は

無性に温かい

カプチーノが飲みたくなる











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逢いたい



あなたの事

忘れた日はありません

だって毎日祈っているから



あなたにとても逢いたい

だって大好きな人だったから



私はどうあがいたって

あなたのようには生きられない



そんなあなたは天国で

今何をしていますか



無性にあなたに逢いたい

その名は「お母ちゃん」









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春待ち顔



どこかの家から

ヴィヴァルディが聴こえてくる

軽快な曲だ



残り雪があるというのに

春が来たようだ



「暖かくなりましたね」

と云う挨拶は

いつになったら交せるのか



今は春待ち顔で

みかんを食べながら

ヴィヴァルディに耳を傾けている











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待ってます



立春が過ぎたのに

春がまだ来ません



どこかでふきのとうが

雪を割り

出る準備をしているでしょう



どこかで梅の花が

ぽんっと咲くのを待っているでしょう



どこかで鶯が

啼く準備をしているでしょう



春は 春は待ってます

自分の出番を待ってます



うふふ顔で待ってます









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冬の鱗雲



雲がね

それはそれはきれいでした

秋でもないのに一面の鱗雲

風が鱗雲を整列させたまま

行儀よく行進させていた



その中を一機のジェット機が

飛行機雲で鱗を割っていった



私は洗濯物を干す手を止めたまま

自然が創りだす素晴しいアートを

うっとり眺めていた



やがて鱗は徐々に形を変え

普通の雲になっていった



壮大な美術館を独り占めしていた私は

心に余韻を残しつつ

洗濯物を干し終えた









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神 秘



細胞分裂

している卵子の

神秘さを

宿す吾子よ

飛べ飛べ宇宙









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二 月



二月です

二月には私の誕生日があります

寒いのにとても小さく生まれました



二月です

節分があります

鬼は逃げ回らなければなりません



二月です

立春があります

春は名のみで寒いです



二月です

気の早い梅の花が

目を覚ませているでしょう



二月です

他の月より

日にちが少ないです



少し得したような

損したような

二月とはそんな月です









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インフルエンザ



インフルエンザに罹りました

あの有名なタミフルを飲んでいます



ベランダから飛び降りたらと心配でしたが

残念ながら若くないので

その心配は全くありませんでした



苦しくて死ぬかと思いました

体じゅう痛いです

咳が激しくて眠れません



吐き気がして食欲もなく食べられないのです

お陰でダイエット出来ました



今もまだかなり辛いです

それなのにこうして詩を書いています

馬鹿な奴だと笑ってやってください









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